2022/03/02 14:20
こんにちは。
おうちの人(かずえ)です。
八ヶ岳で暮らし始め、生活のリズムが規則正しくなった頃から、ノロは私たちの夕食に必ず参加するようになりました。
それはかなり積極的なもので、わたしがキッチンで支度をはじめるやいなや、もう椅子に座って待っているのです。
「今日のごはん何かな〜? ボクももらえるかな〜?」こちらをじっと見つめる顔にはそう書いてあります。
毎日飽きもせず続くので、ついにノロ用の椅子が食卓に追加されました。
一応言っておきますが、私たちの夕食の前にノロにはきちんとごはんをあげているんですけどね。
大好物のお魚や「鶏肉の塩麹漬け」をグリルで焼いているような日は、いち早く匂いを嗅ぎつけ「たまんないよー」と支度に忙しいわたしの足下にまとわりついてくるほど。
そんな時は決まって、とっておきの賢そうな顔をするんですよね。
あまりの可愛さについつい甘くなって「ちょっとだけだからね」と味見をさせてあげていました。
ノロはこの〈キッチンから見えるところで黙って待つ〉という作戦を、自宅のみならず、わたしの実家、はたまた海外の友人宅にお呼ばれした時でもやるのです。
前回書いた「風呂場の前にいればお湯がもらえる」と同じ理屈で「ここにいれば美味しいものがもらえる!」と、ノロなりに考えたのでしょう。
少し恥ずかしくもあったのですが、人様の家のキッチンの片隅でじっと待つノロの姿は、今となっては微笑ましいエピソードです。
そんな食いしん坊なノロ、まずは自分用に出された缶詰やカリカリを少し食べ(※ この時完食はせず、おこぼれ用にお腹具合を調整している)、食卓ではお刺身に焼き魚、かつおぶし、鶏肉(※ 脂多め)、海苔、ヨーグルトやチーズのお裾分けをうれしそうにもらっていました。
粘ってもおこぼれがもらえなかった時は、しぶしぶ諦め、自分用に出されたごはんの続きを食べるという様子でした。
また、「高齢だし、腎臓の数値も気になるから療法食にしてみようか」と切り替えてみたこともありましたが、結果は散々。。。
好き嫌いして体重が落ちてしまっては元も子もないので、結局いつも食べているお気に入りのものに戻しました。
「せっかく君のことを思って買ったのに!」なんていうこちらの思惑など、ノロにしてみれば余計なお世話だったのかもしれません。
ノロは幸いにも持病や食事の制限もなかったので、18歳を超えた頃からは「じゅうぶん長生きしてくれたのだから、もう細かい事を気にせずあげよう」と、欲しがるものを大らかに与えることにしました。
首をフリフリ、鼻をフガフガさせながら美味しそうに「うまい!うまい!」と食べる姿は、食卓を囲む私たちを幸せな気持ちにさせてくれました。
食いしん坊のノロ、万才!
*おうちの人(かずえ)のコラムは、毎月2〈ニャン〉の日と22〈ニャーニャー〉の日の更新です。